「鍛造メーカー」とひとことで言っても、実は2つのタイプに分かれます。金型を使う型鍛造と、金型を使わない自由鍛造です。この違いを知らずに問い合わせると、「うちでは受けられません」と断られて時間をロスすることになります。
発注前に知っておきたい両者の違いを、ロット・費用・サイズ・納期の観点で整理します。
型鍛造:金型で成形する量産方式
型鍛造は、部品の形を彫り込んだ金型に加熱した素材を挟み、プレスで押して成形します。同じ形を速く・寸法精度よく大量に作れるのが強みで、自動車部品のような量産の世界で主流です。
ただし前提として金型の製作が必要です。金型費の初期投資がかかるため、数量が少ないと1個あたりのコストが跳ね上がります。また、金型より大きいものは作れないため、サイズにも制約があります。
自由鍛造:金型を使わず、職人が形を作る方式
自由鍛造は、加熱した素材を平らな金敷の上でプレスやハンマーで叩き、回しながら形を作っていく方式です。昔ながらの「火造り」の世界で、当社・鈴木鍛造もこの方式の専門メーカーです。
金型がないため初期費用ゼロ・1個から製作可能。図面(ポンチ絵でも可)さえあれば作れます。数トン級の大物や、市中に流通していないφ400mm超の大径材(解説記事)も自由鍛造の領域です。
市場の構造も両者で異なります。型鍛造は自動車向けが圧倒的多数なのに対し、自由鍛造は産業機械・土木建設機械向けが自動車向けを大きく上回ります。少量多品種・大物・短納期案件の受け皿が自由鍛造です。
比較表:どちらに頼むべきか
| 比較軸 | 型鍛造 | 自由鍛造 |
|---|---|---|
| 金型 | 必要(初期費用が発生) | 不要(初期費用ゼロ) |
| 得意なロット | 数千個〜の量産 | 1個〜数百個の少量多品種 |
| サイズ | 金型サイズに制約される | 大物・長尺に対応しやすい |
| 形状 | 複雑形状を高精度に再現 | 軸・リング・ボス等の構造部品向き。仕上げは機械加工で |
| 立ち上がり | 金型製作の期間が必要 | 図面があればすぐ製作検討可 |
| 主な用途 | 自動車部品などの量産品 | 産業機械・建機の部品、試作、補修部品、大物一品物 |
まとめると、「数がまとまる量産品」は型鍛造、「少量・大物・急ぎ・一品物」は自由鍛造です。なお、どちらの鍛造品も、鍛流線が連続することによる強度の優位(鍛流線とは)は共通しています。
自由鍛造の実力:形に近づけて、加工までやる
自由鍛造は「精度が出ない」と思われがちですが、当社では鍛造後の機械加工(大型旋盤・NC旋盤)まで自社で行い、製品形状に近いL1状態で納品できます(一貫対応のメリット)。鍛造の強度と、機械加工の精度を1社で両立できるのが自由鍛造メーカーの完成形だと考えています。
よくある質問
Q. 自由鍛造は寸法精度が悪いと聞きましたが。
鍛造のままの状態(黒皮)では型鍛造ほどの精度は出ません。ただし当社では鍛造後に自社の旋盤・NC旋盤で機械加工するため、最終的な寸法精度は加工で確保します。「鍛造の強度×加工の精度」を1社で完結できるのが強みです。
Q. 数百個のロットでも自由鍛造で受けられますか?
当社では1個〜数百個まで対応しています。数千個規模の継続量産になる場合は型鍛造の方が適することが多いので、数量感とあわせてご相談ください。
Q. どこまで大きいものが作れますか?
丸形状で最大1,500mm・重量2,500kg、シャフト形状で最大2,000mm・重量1,000kgまで対応しています。最小はφ50mm・15kg程度からです。
少量・大物・急ぎの鍛造は、自由鍛造の鈴木鍛造へ
1957年創業、神奈川県座間市。丸形状φ50〜1,500mm・2,500kgまで、1個から数百個まで対応します(対応範囲の早見表)。図面(ポンチ絵・手書き可)をお送りいただければ、3営業日を目安にお見積りを回答します。
図面を添付して問い合わせる(suzutan1@suzuki-tanzo.co.jp)
お急ぎの方はお電話で:046-251-1613(平日 8:00〜17:00)

