丸材400mm以上が手に入らない時の3つの選択肢|鍛造という解決策

2025-10-13

「φ450の丸材が必要なのに、どこの商社に聞いても在庫がない」——調達や設計のお仕事をされている方から、当社にもっとも多く寄せられるご相談のひとつです。

先に結論をお伝えします。φ400mmを超える丸材は、既製品を「探す」のではなく「作る」のが答えです。作り方には、鉄板からの切り出し・鋳物・鍛造の3つの選択肢があり、部品にかかる力の大きさで選ぶのが正解です。この記事では、3つの違いと選び方を順番にご説明します。

なぜφ400mmを超えると丸材が手に入らないのか

機械構造用の丸鋼は、製鋼メーカーが規格サイズで量産し、材料商社が在庫を持つ流通の仕組みになっています。ところが、この既製品の流通はおおむねφ400mm程度までが上限です。

それを超えるサイズは需要が少なく、メーカーも商社も在庫として持ちません。つまり「φ400mm超の丸材が見つからない」のは探し方の問題ではなく、そもそも市中に流通していないのです。商社に「在庫がありません」と言われた時点で、次の一手は「素材そのものを作れる会社を探すこと」に切り替わります。

選択肢1:厚い鉄板から切り出す

厚板から必要な円形を切り出し、削って仕上げる方法です。厚板は流通量が多く、対応できる加工業者も見つけやすいのが利点です。強度をあまり要求されない治具やベース類なら十分な選択肢です。

弱点は強度です。金属内部には鍛流線(たんりゅうせん)と呼ばれる繊維状の組織の流れがあり、切り出し品ではこの流れがまっすぐなまま形状の途中で分断されます。強い力がかかる部品では、分断された箇所が弱点になります。また、大きな板から円形を取るため材料のロスも多くなります。

選択肢2:鋳物(鋳造)で作る

溶かした金属を型に流し込んで固める方法です。複雑な形状を一体で作れるうえ、同じものを繰り返し作る量産品ではコストメリットが大きいのが特長です。

一方で、型(木型・金型)の準備が必要なため1個だけの製作には向きにくく、組織が粗くなりやすいため内部欠陥のリスクがあります。大きな力がかかる部品に使う場合は注意が必要です。

選択肢3:鍛造で「材料から」作る

鋼材を加熱し、プレスで叩いて成形する方法です。当社のような自由鍛造メーカーは、金型を使わずにφ400mm超・数百kg〜数トンの素材を、必要な形に近い状態で作ります。

鍛造の最大の特長は強度です。鍛造品は鍛流線が製品の形に沿って連続するため、切り出し品では分断されてしまう組織がつながっており、衝撃・疲労・破断に強くなります。

たとえるなら、おにぎりと餅です。米粒のまま握ったおにぎりは、力を加えると粒の境目から崩れます。杵でついた餅は組織がつながっていて、粘り強く割れません。切り出し品と鍛造品の違いは、これと同じです。詳しくは「鍛造と切削の違い」の解説記事もご覧ください。

自由鍛造なら型が不要なので1個から作れて、必要な形状に近づけて作るため材料ロスも少なくて済みます。シャフト、ギア、プレス機の部品など、強い力がかかり「壊れてはいけない」部品に適した作り方です。

3つの選択肢の比較表

比較軸鉄板切り出し鋳物鍛造
強度・靭性鍛流線が分断され、強い応力下では弱点に組織が粗く、内部欠陥のリスク鍛流線が形状に沿い、衝撃・疲労・破断に最も強い
適する用途強度要求が低い部品、治具・ベース類複雑形状・量産品強い力がかかる基幹部品(軸・ギア等)
1個だけの製作対応しやすい型が必要で不向き自由鍛造なら型不要で対応可

迷ったときの目安はひとつ、「その部品が壊れたら何が起きるか」です。機械が止まる・事故につながる部品であれば、鍛造をご検討ください。

よくある質問

Q. 材質の指定がある場合も作れますか?

S45C等の炭素鋼、SCM435等のクロムモリブデン鋼、SNCM、ステンレス鋼(SUS304・630)、SF材など幅広く対応しています。図面に材質記載があればそのまま、未定の場合は用途からご提案します。なお非鉄金属(アルミ・銅合金等)は対応外です。

Q. 丸材(素材)だけの購入もできますか?

可能です。黒皮のまま(鍛造したまま)の素材納品と、製品形状に近い状態まで当社で旋盤加工するL1納めを選べます。社内で削る設備をお持ちでない場合はL1納めをおすすめします。

Q. 納期はどのくらいかかりますか?

仕様(熱処理の要否など)により変わるため、図面とあわせてご相談ください。参考として、鍛造〜焼ならし〜旋盤加工まで3日で納めた特急実績があります。

φ400mm超の丸材、鈴木鍛造が1個から製作します

当社は1957年創業、神奈川県座間市の自由鍛造メーカーです。丸形状はφ50mm・15kg程度から最大1,500mm・重量2,500kgまで、シャフト形状は最大2,000mm・重量1,000kgまで、1個から数百個まで製作できます。

大型旋盤・NC旋盤を自社保有しているため、鍛造した素材の機械加工まで一社で完結。「素材は作れたが、削ってくれる先が見つからない」という二度手間がありません。対応材質は炭素鋼(S45C等)・クロムモリブデン鋼(SCM435等)・ステンレス鋼ほか(取り扱い材質一覧)。対応範囲の詳細はトップページの早見表をご覧ください。

図面(ポンチ絵・手書きでも結構です)をお送りいただければ、3営業日を目安にお見積りを回答します。「鍛造で作れるのかどうか分からない」という段階のご相談も歓迎です。

図面を添付して問い合わせる(suzutan1@suzuki-tanzo.co.jp)
お急ぎの方はお電話で:046-251-1613(平日 8:00〜17:00)